多嚢胞性卵巣症候群による不妊

不妊の原因が、多嚢胞性卵巣症候群である場合があります。
PCOSと呼ばれることもあり、英語で多嚢胞性卵巣症候群のことをPolycystic ovary syndromeということからきています。

卵胞が卵巣の中に多くある場合でも、排卵を可能にするには、厚みがあって硬い卵巣の表皮ほど困難になってしまいます。
多くの嚢胞が、腫れた卵巣内に存在する病態のことを多嚢胞性卵巣と呼びます。
多嚢胞性卵巣の状態にある女性のうち、90%近い方が排卵障害です。
多嚢胞性卵巣症候群は、その排卵障害と診断された方の20%~40%にみられるということです。

多嚢胞性卵巣症候群は、排卵がないことから引き起こされる不妊、月経異常、卵巣の多嚢胞性腫大、肥満、多毛などが現れます。
多嚢胞性卵巣症候群で最も象徴的なのは、卵巣の形態が「白膜の肥厚」を起こしたり、「卵巣の嚢胞状腫大」をするという変化です。
液体を含んだ嚢胞状態の小卵胞が、1cmより小さな段階で育たなくなったままのものが、卵巣の中に多くでき、卵巣が大きくなって、通常の2倍を上回るほど肥大するケースもあります。

コラーゲン線維が沈み込んだことから、卵巣の皮である白膜が硬く厚みをおびます。
排卵の実現には、硬くなってしまうとよくありません。
妊娠可能な卵巣の白膜は、厚さが0.1 mmほどですが、多嚢胞性卵巣の場合は0.15mm以上になります。
悪化すると、0.5mm~0.8mmもの厚さになる場合もあります。

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