不妊を治療していく上でまず試みられることが多いのがタイミング療法です。
妊娠しやすい日を見定めてセックスをすることで妊娠の確率を上げようという方法です。
そもそも妊娠とは、月経の周期で排出される卵子と精子が出会って初めて成立するものです。
通常は生理から14日目前後にこの排卵があるといわれています。
人間は一度に一個の卵子しか排卵しません。
卵子は卵巣から卵管へ出て行きます。
そこへ射精されて間もない精子が入り込んできて卵子とドッキングできれば受精成功ということになります。
出会いのタイミング
排出された卵子は12時間から24時間生き続けます。
射精された精子は、女性の体内で24時間から48時間生き続けます。
ですから、排卵日の2日前、1日前、そして排卵日当日、この3日間が勝負ということになるのです。
それ以外の日に射精があっても、受精には至りません。
タイミング療法とはこの排卵日を計算して見極め、受精可能日にセックスをして受精の確率を高めようという療法なのです。
基礎体温チェック
排卵日を見極めるには、基礎体温を図ることが重要になります。
女性の体温は低温期と高温期を繰り返しています。
月経が始まると低温期も同時に始まり、低温期から高温期への切り替わり時期がちょうど排卵日になるのです。
排卵の始まる2、3日前から基礎体温は上がり始め高温期に移行します。
ですから、基礎体温を毎日測っているなら、だいたいの排卵日を予測できるのです。
おりものチェック
また、子宮口のおりものの粘度から排卵日を見極める方法もあります。
粘度が上がって指と指を離しても10cmくらい切れなければ排卵が近くなっているでしょう。
超音波検査
また婦人科で行なう超音波検査なら、排卵日をかなり正確に知ることができるのです。
経膣プローブを膣内に挿入し、卵胞の大きさを測定します。
卵胞は排卵日が近づくほど大きく成長していき、最終的には25mmほどになるのです。
排卵日チェッカー
また排卵日チェッカーという便利なものもできています。
排卵期チェッカーに唾液をつけることで排卵期を予測することができます。
こうしたさまざまな方法で排卵日を見定めて、その日にセックスをすることで妊娠の確率を高めていくのが、不妊治療のタイミング療法になるのです。
薬や人工授精ではく自然妊娠なので、まずはこの方法にトライするご夫婦は多いようです。